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　　　　　　　　　　　　＊遠回りボーイズ＊

恋なんて一生関係ないと思ってた。
そう、彼に会うまで―――――。



「なあなあ雲雀、俺、お前の事が好きなのな。」
「はぁ？なに言ってんの？」
「いや、だから・・・・
「うるさい。」
「なんだよ、そっちが聞いてきたくせに。」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「今度は無視かよ！」


僕の事を好きだなんて言う奴なんて今までいなかった。
皆僕の事を恐れて、風紀委員以外は近づこうともしなかった。

その僕に近づいて、その上好き・・・・・だって？

なにを考えているのか分からない。意味が分からない。
でも、心なしか胸の鼓動が早くなるのを感じていた。



その日を境に彼はここに来なくなった。
部活にでも行っているんだろう。
もともと彼の居場所はここじゃない。
彼は彼の居場所に戻ったんだ。
静かになっていいじゃないか。　
いいじゃ・・・・・ないか。

『雲雀！』

ふいに彼の声が頭をよぎった。
すごい笑顔で僕を呼ぶ彼。
なんで彼のことなんて思い出してるんだろう・・・。
僕はどうにかしてしまったのだろうか。

『俺、お前の事が・・・・・・・・』

また頭の中で彼の声が響く。
あの日の彼はなんだか切ない顔をしていた。
まるで叶わない恋をしたかのような、切ない顔。

恋・・・・・・・？

あぁ、そうか。僕は彼のことが

『お前の事が好きなのな。』
「好きだったんだ。」

頭の中の彼の声と重なる。
そうか、僕も彼が好きだったのか。

ボトッ

「誰？」

外から鞄のようなものが落ちる音がした。
もしかして・・・聞かれたか？

「入ってきなよ。」

立ち聞きされた怒りか、気づくのが遅かった自分への怒りか分からなかった。
けど、その時の僕は確かに殺気だっていた。

ギィー

ゆっくりと扉が開く。
そしてそこに立ったのは彼、山本武だった。

驚かなかった・・・と言ったら嘘にになる。
だけどその驚きは久しぶりに山本武に会えて喜んでいる自分に対してだった。

「聞いたの？」
「いや・・・・あの・・・・・わりぃ。」
「別に。」

だってそれは君に対する言葉だから、君になら聞かれてもかまわない。　
とまでは言わなかった。
なぜって、彼がそこまで鈍感だとは思わなかったから。

「あの・・・・・・さ。」
「なに？」
「さっきのって・・・・やっぱあの・・・・・ツナになのか？」
「はぁ？」

予想だにしない言葉だった。
なんでそこであの草食動物にいくの？　君に対してなのに。
ふと、彼の顔を見た。
そこにははじめて見る、彼の悲しそうな顔だった。

「まったく、全部言わないと君には伝わらないのかな？」
「えっ？」

彼が顔をあげる。疑問符を浮かべながら。

「僕は君が来なかったこの1週間、とても寂しかったんだ。」
「え？でもあの時・・・・・・・。」

さらに疑問符をうかべる。
これでも分からないなんてどんなに鈍いんだか。

「だから・・・・・」

告白って・・・こんなにドキドキするんだ。
すべてが初めてで、かなり遠回りしたけど

「嫌いだなんて、誰も言ってないでしょ。」
「それって・・・好きってとっていいのか？」

頬を染めながら聞いてくる山本。
僕も頬が赤くなるのを感じた。

「そこまで言わなきゃ分からないの？」
「いいや！」

終わりよければ全てよしってことだよ。

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いやぁ～、ちゃんとBLできてました？
私、８０１８も大好きです。
でも1番は８０５９ですよ。